浅葱の贖罪
「フフフ。」
歳の部屋から脱出した時、葉月から、笑い声が聞こえた。

「どうしたんだ?葉月?」
私が葉月にそう尋ねると、葉月は柔らかに微笑んだ。

「昔と変わっていないんだなぁーって思って。」

私はその言葉を聞いた時、はっとした。

あの時、私は、武士道をあまり重んじない歳を信じると決めた。

歳は、昔から策士だった。
そんな歳を私は信じると決めたのに、
身勝手な私の武士道を語り、
心のなかで歳を批判していた。

なんて私は、卑劣なヤツだったのだろうか?

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