浅葱の贖罪
そして、意外なことを口にした。
「いつも、惣ちゃんと一緒に見ているんです。」

「惣次郎とか?」
私は思わず、聞き返した。

「ぇえぇ。惣ちゃんが教えてくれましたよ。勝太さんの剣術は凄いって。」
意外だった。惣次郎が、剣術に興味があったのだと。

「なぁ。なぜふでさんは惣次郎にきつく当たるのだろうか?」

葉月は顔をぎゅっと強張らせた。そして、言った。
「ふでさんは惣次郎が周助先生の隠し子だと、お思いなのです。」
< 21 / 255 >

この作品をシェア

pagetop