浅葱の贖罪
私はそれがいかに幸せなことかを理解していた。

「永倉くんは、最近どうかね?」

私は直接それを確かめることが出来ないから、

葉月に尋ねた。

「毎朝、稽古を欠かしていませんよ。

勇さんが道場にいらっしゃらないのが、

凄く寂しそうです。」

再び葉月に気付かされた。

あぁそうか。私は、大分長い間、公務を理由に

仲間と共に稽古をしていなかったのだと。


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