浅葱の贖罪
永倉くんが私を信じていなかったのではなく、

私が永倉くんに不信を抱かせていたのだと。

「葉月、今道場に永倉くんはいると思うか?」

今は申の刻(午後4時)だ。

「勇さんがそう願うのならきっといますよ。」

普段はこの時間は隊士達の休息の時間だから、

誰も道場にはいないだろう。

葉月はそれを知った上で私に柔かな微笑みを向けて言ったのだろう。


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