浅葱の贖罪
だが、私は葉月が医術を学んでいるなどとは露にも知り得なかった。

「なんでも、沖田先生の看病をしたいそうで。」

私は山崎の言ったこの言葉に嫌な予感を覚えた。

「お歳も近いですし、沖田先生は花街に見向きもしないのはそこにあるのでしょうかね。

お二人が一緒にいると絵になるように美しいですよね。

お二人には末長く幸せであって欲しいものです。」




…………山崎に非はない。

だが、他人にはそう見えていたのかと思うと、

胸が痛くて仕方がない。


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