浅葱の贖罪
惣次郎、もう我慢なんてするな。

そう言いたかったが、再び反論されそうだ。それならこっちは…。
私は大きく息を吸い込み、大きな口をさらに大きく開けた。

「惣次郎、そんなこととはなんだ?心外な。」

突然声を荒げた私に惣次郎は驚き、肩をピクリと震わせた。

「貴公(きこう)は剣術をそんなことと考えておるのか?剣術とは、国のため、故郷のため、愛する者を守るために必要なことだ。それをそんなことと貴様は侮辱する気か?」

ひどい剣幕で言った。一瞬、惣次郎は泣き出してしまうのではないか?と思った。
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