浅葱の贖罪
葉月は労咳の知識は山崎が船の上で亡くなる前に充分に習得していた。

しかし、葉月はどこか労咳に対して己を犠牲にしてもよいという余裕があった。

以前その事を葉月に指摘すると、

「私はかかりにくいのです。」

と言って笑った。

どこからそのような自信が湧いてきたのだろうか。

私は葉月をこれ以上なく心配していた。


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