浅葱の贖罪
旦那様は私を拾ってくれただけあって

優しかった。

だが、それは表面上だけで、旦那様は

由緒正しきお武家の家の出なら誰でも良かったのだ。

身分が高ければ高いほど良かったのであろう。



旦那様は私を利用して、

私も利用されていると知りながら

旦那様を利用する。



そんな関係でいいのではないかと

私の心は麻痺しつつあった。







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