浅葱の贖罪
少しばかり、意地悪したくなった。

「なんのことですか?」
本当は、分かっていた。なぜなら…

「ほ、本当の本当に忘れちゃいましたか?」

葉月は私から目線を反らし、聞いた。そんな葉月を私は愛らしいと思った。

もう、意地悪は止めよう。
なぜなら、私もこの日を楽しみにしていたのだから。葉月と逢瀬が出来るこの日を、私はずっと待ちわびていた。
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