君がいたから~私が決めたこと~
「あなたの名前は何?」
「だから...」
「猫以外で」
「そっちも強引だね」
「初めて言われた」
「そうなんだ」
「話し逸らさないで、名前なんですか?」
「僕の名前はchat」
「シャ?英語?」
「シャ。スペルはシー、エイチ、エー、ティー」
「シャなのにCからなんですか?」
「さぁ。どうしてだろうね」
「そんなことより、いつになったら姿見せてくれるんですか」
「みたい?」
ふざけた野郎だ。
私の扱いがまるで、猫が猫じゃらしでつられているみたい。
「見せたくないならいい。」
「わかった。みたいんだね、今から行くから待ってて。」
「待っててって...」
バタン
私が反論をしようと思った同時に聞こえたドアが閉まる音。
「はぁ」
彼...chatはどんな人だろう。
猫じゃないのはわかってるから、気になる。
3,4分してから聞こえたエレベーターの音。
少しずつドアが開く。
「へぇ~、慣生って可愛いんだね」
「え、あ...」
私はたどたどしくなった...いや、びっくりした。
日本語はおかしくない。
でも彼は...
「今の心境を当てよう。外国人みたい...でしょ?」
chatは確かに外国人みたいな顔をしてる。
髪の毛は茶色、目は青、肌は私と同じくらい白い。
「...なに人?」
「日本人」
「嘘だ」
「あー、信じないんだー」
「だって!」
「ハーフだよ、フランス人と日本人の」
「だから、肌が白いんだ...。」
「しかも、生まれはフランス。小学校の少し前くらいから日本」
「そう、なんだ...」
周りから見たら、カッコイイと言うだろう。
しかも体育会系に見えなくもない。
「心を読んであげるよ。カッコイイでしょ?」
「んなわけないでしょ!」
確かにかっこいいとは思った。
だけど、あくまで周りから見たら。
私にはどうでもいい。
関係ない。
「えー。よく告白されてたんだけどなぁ」
「はいはいそうですか」
「んで?」
「なに?」
「飛び降りるの?」
「うん」
「僕が...そばに行こうか?」
「なんでchatと一緒にいないといけないの?」
「いるんじゃない。」
そう言いながら私がいる窓のところまで近づいてくる。
「じゃあ、なんで来たの?」
「僕が来た理由はない。僕は自分がしたいようにしてるだけだから」
「意味わかんない」