せんせいのお婿さん!


「やだなあ……」

彼もまた、悲しそうな顔をした。

だが、看護師という立場から飲ませない訳にはいかない。

「飲まないと、元気になれないよ?」

「別にいーもん……」


うつむく彼。

眉を下げる私。

「じゃあ」

再び口を開いたのは卓哉だった。

「今日のお薬全部飲んだら、ちゅーしてくれる?」


正直、驚いた。
最近の子供は大人びているなあ、と。

でも、所詮子供は子供。

「じゃあ、ほっぺね?」

「うん!約束だよ」

彼はそう言って小指を差し出した。

私は躊躇いもなくその小指に自分の指を結んだ。

やはり、子供は子供だ。
< 3 / 10 >

この作品をシェア

pagetop