せんせいのお婿さん!
「やだなあ……」
彼もまた、悲しそうな顔をした。
だが、看護師という立場から飲ませない訳にはいかない。
「飲まないと、元気になれないよ?」
「別にいーもん……」
うつむく彼。
眉を下げる私。
「じゃあ」
再び口を開いたのは卓哉だった。
「今日のお薬全部飲んだら、ちゅーしてくれる?」
正直、驚いた。
最近の子供は大人びているなあ、と。
でも、所詮子供は子供。
「じゃあ、ほっぺね?」
「うん!約束だよ」
彼はそう言って小指を差し出した。
私は躊躇いもなくその小指に自分の指を結んだ。
やはり、子供は子供だ。