せんせいのお婿さん!


病室の中の卓哉くんは戦隊もののテレビアニメを見ていた。

だが彼は、あたしの気配に気付いたのか、ぱっとこちらに振り返った。


「あ、先生!」

「卓哉くん、お薬だよ」

そう告げるといつもなら溜息をこぼす彼は、珍しく笑顔のままだ。


「うん、分かった!先生、あと三回だね」

「え、何が?」

「お薬!あとお昼ご飯のあとと、夜ご飯のあとと、寝る前」


ああ、そういえばあたしは彼とキスの約束をしたんだ。
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