せんせいのお婿さん!


と言っても、頬になのだが。

「先生、約束忘れてないよね?」

一瞬、言葉が詰まった。

約束は忘れてないが、彼の思いが幼いながらに強い事を今更知り、「これで良いのか」と思ってしまったのだ。


「うん、忘れてないよ」

そう言うと、彼はにっこりと微笑んで薬を飲み込んだ。


飲み終えた彼がぷはあ、と息を漏らすものだから、あたしもクスクス、と笑った。


「それじゃあまたお昼のあとに来るね」


「はーい、またねせんせー」
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