ひとりぼっちの夜は、君と明日を探しにいく
だけどそんな気持ちは長くは続かない。同級生の友達がみんな学校帰りや休日に遊んでいるのに俺は習い事ばかり。
勉強はできて先生には好かれるのに、毎回遊びを断る俺は同級生の人たちから好かれていなかった。
休み時間にグラウンドでみんながサッカーをやってる中、俺はひとり教室で本を読む。
『詩月は俺たちと遊ぶより勉強してたほうが楽しいんだよ』なんて、いつの間にか決めつけられて。
悔しいから自分はひとりになってるんじゃなくて、勉強が忙しいだけだと必死で言い聞かせていた。
『……なんだ!この点数は!』
ある日、数学のテストで俺は今までで最低の点数を取った。それでも平均以上で76点。難しい問題じゃなかった。ただテスト中に突然腹痛に襲われて、後半の問題を解くことができなかっただけ。
言い訳はしなかった。親父にいくら怒られても結果は結果だと受け止めて、代わりに『今日中にこの問題集をやりなさい』と言われて夜遅くまでやったことは忘れない。