ひとりぼっちの夜は、君と明日を探しにいく

お母さんはそのあとスマホで連絡をとって、その人は家にくることになった。その間私はリビングで待っていて気持ちがソワソワと落ち着かない。

どんな人なんだろう。
どんな仕事をしてるのだろう。

ちゃんとしてる人ならいい。
ちゃんと私たちのことを……。

暫くして外から車の音が聞こえてきた。エンジンを切って鍵を閉めて、次に家のインターホンが鳴り響く。

お母さんはすぐに玄関に向かって、リビングに近づいてくるふたつの足音。

ドクンドクン……と心臓が速い。

ガチャリとリビングのドアが開いて、私は自然と座っていた腰を上げていた。家の空気がすぐに変わって、最初に言葉を発したのは私だった。


「……え、な、なんで……」

状況が理解できなかった。だって目の前にいるのは、お母さんが連れてきた人は……。

「莉津……」
 
「お父さん……?」

そう、見間違いでも夢でもない。申し訳なさそうな顔をして私を見ているのは紛れもない離婚したはずの父親だった。
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