ひとりぼっちの夜は、君と明日を探しにいく

「莉津。もう一度家族になれるようにこれから頑張るから。莉津とお母さんをもう悲しませないように頑張るから」

お父さんがグッと唇を噛み締めた。


「私たちが一番大切に思ってるのは莉津なの。
莉津の気持ちを最優先で考えていきたい。一からじゃなくて0からまた始めていきたい。今すぐじゃなくてもいい。何年先でも構わないからいつか私たちのことを……」

お母さんの言葉を遮ったのは私だ。

私もそっと床に膝をついて両親の肩に触れた。


「許すよ。お父さんとお母さんのこと」

完璧じゃない。だからこそ、また最初からはじめることができる。

子どもは親を選べないなんて言うけどそんなは考え次第。知らされないことが否定されるという意味じゃないように、生まれてくる前にこの人たちの子どもになりたいと自分で選んだかもしれない。

そう、思えば毎日は少しだけ変わる。

柔らかく、優しく、私もきっと笑えるよ。
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