ひとりぼっちの夜は、君と明日を探しにいく

学校の正門では先生たちがまた登校指導をやっていて、服装は乱れてないはずなのに私は担任に肩を叩かれた。

「羽柴おはよう!」

相変わらず声がでかい。夏がまた戻ってきたんじゃないかって思うほど暑苦しいし苦手なのは変わらない。でも……。

「おはようございます」

目を見て挨拶をすると、びっくりした顔をして一瞬固まっていた。

「お、おう!な、なんか羽柴ご機嫌だなあ!いいことあったか?先生になんでも話してみろ」

「べつになんにもありません。じゃ」

私はスタスタと歩き進めて昇降口に向かう途中で学校で一番優秀な末次とすれ違った。

そう、私の靴箱を破壊したヤツ。

「次のテストでは絶対負けないからな!」

その隣には例の友達の姿も。

「お、俺も負けない!末次はライバルだから!」

互いを認め合うこと。どうやらこのふたりも私が知らないところでそれを学んだらしい。

少しずつ変化していく毎日。それを見つけるのも最近は楽しい。
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