ひとりぼっちの夜は、君と明日を探しにいく

「私の貴重な昼食の時間を返してよ」

「とか言いつつパン食ってんじゃん」

「………」

それはここで食べるしかないからで……とか、言い返すのも面倒くさいや。

今日は水曜日でもうすぐ詩月の放送がはじまる。詩月は投稿ボックスに入れられた相談用紙をテーブルに出して、これから読むものを選んでいた。

私はメロンパンの袋をゴミ箱に捨てて、目の前の紙を手に取ってみた。


【1年3組 K.S 私は他校に親友がいます。
その親友と大喧嘩をしてしまい仲直りのタイミングに困っています。どうしたらいいですか?】

こういうのって見ちゃいけない気がするけど、
それは私をここに呼び出した詩月の責任だから私は知らない。

他にも真面目な進路の相談や放送できないような下ネタの相談まで様々なものがある。


「なんで詩月は悩み相談なんてしてるの?」

みんなが投稿する心理は分からないけど、その大半がお祭りごとのように学校で違う刺激を求めているだけ。

悩みを解決してほしいというより自分のものが読まれたらラッキーとか、いつものマンネリ化した昼休みがこの放送の時だけちょっと違うものに感じてる程度。

それなのに詩月は真剣に相談用紙を選んでいる。
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