ひとりぼっちの夜は、君と明日を探しにいく
大人たちは離婚して終止符を打ったのかもしれないけど子どもは違う。振り回されて汚い現実を見せられて、一番頼りたかった時に突き放された。
その傷跡がまだ癒えぬまま、大人は新たな生活をスタートさせて互いに楽しく過ごしている。
ああ、まただ。また真っ黒な感情ばかりが胸をかき乱す。
いつの間にかカップラーメンの3分間は過ぎていた。さっきまでお腹の虫が鳴いていたのに今はもうどこかへ行ってしまった。
はあ、と深いため息をついて。洗い物の手間を減らそうと割りばしを取りにいくと食器戸棚がわずかに開いていた。
そこから見える一枚の紙。
気になって引き出しからはみ出ていた紙の端を左手でそっと引っ張った。
……ドクン。心臓が大きく動揺する。
――と、その時。タイミングよく母が帰ってきてリビングのドアが開いた。母がなにかを言う前に自然と私から言葉を発していた。
「なんなのこれ……」
テーブルに置いた紙。そこには〝婚姻届〟と書かれていた。