ずっと好きだった。でも今は彼の事しか見えない。
でも遙香は黙々と勉強を続けた。

席を立つのは、トイレに行くときだけだった。

僕が何か話しかけても、小さく微笑みゆっくりと首を振るだけだった。

僕はそれ以上何も言えずに問題集を解きつづけた。

隣の席の人が、何度か入れ替わった。

最初の二人はカップルで話し声がうるさかったけど、その次は僕達と同じ勉強をするために来た二人組だった。

たまにスタッフが新商品の紹介に来たり、水を注いでくれたりした。

気が付くと夕方だった。

店内は社会人で混みはじめた。

そろそろ切り上げるタイミングだと思った。
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