ずっと好きだった。でも今は彼の事しか見えない。
これはもしかしたら、遙香は同意してくれているのかもしれないと思った。

いつかのタイミングで遙香の、どこへ向かってるの?という質問が来ると思っていた。

その時の回答も準備してある。

「何もしないから休憩しよう」

この言葉を呪文のように心の中で唱えていた。

僕はそんな妄想を頭の中で繰り広げていたので、遙香が立ち止ったとき僕は気が付かずに居た。

遙香から手を引っ張られ、僕は遙香の顔をみて、それから遙香の固まった視線の先にあるものを見た。
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