ずっと好きだった。でも今は彼の事しか見えない。
「それでも好きになったのよ」

と燁子は言った。

僕は秀人の悪口を言いながら、空しさを感じているところだったので、燁子の言葉が燁子自身の事を語っていることを理解するのに、時間がかかった。


「秀人が?だよね?」

「私がよ。彼を」

「燁子が、誰を?」

< 43 / 50 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop