虹の翼

prologue

その日大雨が上がり見惚れる程の美しい蒼穹の空と大きな虹が架かる。

けれど一番大きな建物に仕えている人々は全て見て居なかった。

＿＿忙しく、けれど帝国民としては一番記憶に残る日だった。



「皇妃樣、おめでとうございます。」

漸くの、皇子の誕生だった。

他にも皇帝と皇妃の間には子どももいるが、全てが『姫君』であった。

その国の帝国法では、男子が後継となっているから。