虹の翼
__この者は側近には加えてはなりません。
何故か今まで俺の肩に乗っていたミオが異議を唱えた。
「ミオ、何で?」理由を聞いてみると
__この者の父は犯罪を犯しているからです。この者は横領、及び領民を売って自らの肥やしにしております。
「それは、確かか?」父が聞くと
__わたくしはまだ幼くてもシエル・サーヴィランスです。……監視者に嘘偽りはございません。
ミオのそう言いきる姿はとても凛々しく、神々しかった。
「分かった。ありがとう、ミオ。…父上、候補選定と同時進行で膿を出してしまいましょう。……民を売るなど決してあってはならないものです。」
「ケイオス、それではお前の負担が重くなる。」父が異議を言うが知った事ではない。
……前世の記憶が戻ってからの数週間、この国の悪いところがかなり見えている。
減らない犯罪件数、政策の杜撰さ、(何せ政策は千年以上変えていないってセレナ先生に聞いたときはびっくりした。…犯罪が巧妙化しているのに、重たい腰を上げないなんてあり得ない。腰の重りが1トン以上あるんじゃねぇの?なんて思った。)
「お言葉かも知れませんが、僕がまだ子どもだからという油断に漬け込むんです。…この状態、皇室が舐められているとしか思えません。」