虹の翼
扉の外にいた近衛に連れられて来たのはやはり、アズール女侯爵だった。
俺の部屋の外にいた二人は女侯爵と侯爵令息だったんだろう。
「単刀直入に問う。ニュクススマイルを作ることを指示したのは女侯爵、お前だな?」
アズール侯爵家の担当は薬学。…勿論毒薬も含まれる。そもそもニュクススマイル何て毒薬、城勤めの限られた人しか知らされていない。
医術博士(プロ)の称号を持つ者や、皇族。……後はアズール侯爵家……直ぐに名前を出せるのはこのぐらいだろう。
「城の備品を調査したが、ニュクススマイルの原料は減っていなかった。そして、侯爵家の医術師はかなりの魔力が減っていた。…いつ、誰があそこまで魔力の減る事をしたのだろうな?」見せてもらった資料は全身複雑骨折しなきゃ減らない位の魔力の減り具合だった。
父の追及の眼差しが強い。…そんな時、もう一度ノックが聞こえた。
歩哨に立っていた兵が「プロ・ファナルティスです。」と言うと
「通らせろ」と短く父が言うとファナルティスが入ってきた。