虹の翼
次はーー美夜の実家だ。
「朔也さん。美奈子さん。今日は美夜さんとの結婚のお許しが頂きたく――――」
「来た――――!!!」……?美奈子おばさん?
「そろそろ来ると思ってたよ。」……朔也おじさん?
「良いよ。圭人君なら美夜を任せられる。…美夜を頼んだよ?」……!!
「はい!!」
「ね?言ったでしょう。家は平気だって。」左隣にいた美夜が言った。
「苗字は彩夜が婿を連れてきているから美夜が圭人君の更科姓になりなさい。――圭人君もそれで良いね?」朔也おじさんが言った。
「はい。ご存知の通り、一人っ子なので助かります。」
またテレビのノイズが酷くなった。
……ここにあるテレビは全て俺の記憶。
守りたくても守れなかった惨めな過去。
美夜もルナも俺の大事な人たちは消えていく。
俺がなにをしたんだよ。
だから美夜と俺の住んでいたマンションの大家と住人の弁護を引き受けた。マンションの放火犯の弁護士がぐうの音も出ないほどに叩き潰した。
でも美夜が死んでしまってからできた空虚感は今でも癒えない。