虹の翼
ルキウス
――るじ
この声、ミオか。
声のした方を見るとミオが首を傾げて俺を見ていた。
――魘されていたので起こしましたが、ご迷惑でしたか?
「起こしてくれてありがとう。ミオ。」
「ケイオス樣、マーサです。」天蓋にかかっている幕の外から聞こえた。上半身を起こすと
「うん。」開けて良いよ。という意味で言うとマーサが幕を開けて
「リラックス効果のあるハーブティーをお持ちいたしました。」寝室に置いてある一人掛けのソファーと目測40㎝の丸いテーブルに向かいソファーに座ってからハーブティーを飲んだ。何気なく外を見ると外はもう夕暮れを迎えていた。
外の赤と前世の記憶が重なる。
美夜の命を摘み取った炎の赤。
………だから俺は火を使う事を恐れた。
「マーサ、カーテン閉めて。」夕焼けが怖かった。あの赤が俺を襲って来そうで。
「かしこまりまし____」?
~~~♪外で誰か歌ってる。この歌!
俺は走って窓に飛び付いた。
原曲に比べ、半音階高く歌い、ブレスのやり方。
あの歌い方は、美夜だ!
どこにいるんだ?