虹の翼
皇帝が3人だけにするよう目線で指示を出すと礼をした騎士たちや侍女たちは俺が入って来た扉から出ると皇妃自ら香茶(この世界ではハーブティーを指す意味だ。)を淹れ始めた。
「上手くいったか?」
「はい。」そういうと左手を出して袖口を軽く捲るとブレスレットが見えたら満足そうな顔をした。
皇帝は金のフィンガーブレスレットを左手にしている。
「その名は知っているとは思うが16歳になるまで口には出すなよ?」
「はい。今はまだ仮契約状態で16歳の本契約迄に名を言うと仮契約が解除されて2度と取れなくなってしまうのでしたね。」
「あぁ。そうなったら出来そこないの烙印がつく。……十分、気を付けておけ。」
「はい。」……因果な事なのかもしれない。この国では『薙刀』なんて知らないだろうし。
薙刀の稽古を前世でしていた俺にとってはかなりのアドバンテージがある。まぁ、最初は体を作ることからかな?
香茶の蒸らしが終わり、3つのカップに均等に淹れるとリラックスしている皇帝__皇帝の顔をしていない普通の時の顔をしている父から
「ケイオス、そのブレスレット、武器化したらどうなるんだ?」