虹の翼
サンデーをパクつく13歳男子。
……かなり気に入って貰えたようだ。
全部食べ終わり、食後の紅茶を飲みながらふと、何かを思い出した顔をしてから。
「甘味が美味しかったからついうっかりして本題を忘れていた。……用件は2つ。今《掃除》をしているだろう?私をそれに加えてほしい。」……ッ!!
「何の事でしょう?」……いくら皇家の血筋とは言え兄上を参加させるわけにはいかない。
「ケイオス。惚けるな。ルシフェン家にはルシフェン家の情報網があるようにヴァルカン家にはヴァルカン家の情報網がある。」………。
「それとも、6歳のケイオスが参加しているのに13歳の私が参加させられない理由があるのか?」
「僕にはミオが居ます。けれどルキウス兄上には万全な護衛が居ません。………己の私腹を肥やし、貴族の義務と矜恃を忘れた者たちで溢れかえっています。……協力と言っても粗方終わり、後は断罪のみです。」1ヵ所だけ裏が取れていない所があるが……まぁ、時間の問題だろう。
それを聞いたルキウス兄上が自分の上着の内ポケットから封筒を出した。
「ヴェレ家のアレックス伯爵子息からの告発文書だ。」……丁度、裏が取れていない家の物だった。