虹の翼


「……………中身を確認してもいいですか?」頷いて答えてくれた兄上を見てから封を開けた。

内容を読んでいく内に全てのピースが繋がった。

「ヴェレ伯爵子息と話してみたいです。」

「そう言うと思って明日アレックスの予定は開けて貰っている。」間髪入れずに答えてくれた。俺は備えあれば、と用意していたレターセットを取り出してヴェレ伯爵子息へ城への招待状を書いた。

「これをヴェレ伯爵子息へ。表向きは僕の話し相手、という事でお願いします。」ルキウス兄上の前に招待状をおいた。

「それともう1つ。昨日の件だ。改めてケイオスの口から聞きたい。…………フェリシアは無事なのか?」兄上は上着の胸ポケットに招待状をいれながらそう言った。

「分かりました。」昨日のあらましを説明した。

「リリアは暫く休養が必要ですが、完全に毒も消えています。……一番の問題は姉上方の精神的な傷でしょう。」そう一旦区切ると紅茶を飲んで喉を潤した。

そのタイミングで歩哨中の兵から

「ケイオス殿下、並びにルキウス様。フェリシア殿下が御見栄になられました。」

「通して。」俺が言うとフェリシア姉上と護衛役の二人の三人が部屋に入ってきた。
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