虹の翼
「一体、何がおこったんでしょうか?」そう疑問を呟いた。
けれどそれは答えを期待しているわけでもなく、ただ頭の中を整理したいだけだった。
(何故か知らないけど俺を呼んでいたよな。)
暫くすると護衛の一人に呼ばれて外に出てタラップに立ち、柵に掴まると目算20メートル程にいた巨大な物を見た。
大人がその背に乗っても普通に飛べそうな鷹、だった。
__お主がケイオスか?
話しかけられて(さっきの声の人だ。)
「はい。」と答えると
__いと高き処におわす御方からお主へこの子を渡すように、と。
そう言った彼女は黒と蒼の波線が入った卵を俺に渡してきた。
「この子、と仰っていましたが、」
__我が同胞だ。頼んだぞ。
そう言うと翼を広げると風に乗り行ってしまった。