魔法使いの森と魔女の館
幸せな私と、その他大勢の国民が暮らすこの国エル・セイクレッドは、森と田園に囲まれたのどかで平和な王国。
人里離れた森の奥には、これまた深い深い森が続いている。・・・らしい。
行った事がないので詳しい事はわからない。

城下町は活気で溢れて、大聖堂には信仰に熱い人たちの長い列。
白くて大きいお城に暮らす優しい王様。

あちこちで聞くような領土争いも、王位をめぐる争いもこの国ではなかった。
そーゆー平和な国なので、犯罪らし犯罪も聞いた記憶がない。
早い話・・・地方王国?

なので、警察の仕事は迷子や落とし物がほとんど。
こんなに軍服がウロウロしてると、怖いっていうよりは・・・興味の方が勝る。

一体、なーにがあったんでしょうねー。
まぁ、私には関係ないけど。

壁に掛かった柱時計が4時を打つ。

(眠い・・・)

あまりの暇さに、朝からのお客の数とか様子とかを思い出してみる。
思い出してみても、3組しか来ていないのですぐに過去の振り返りは終了した。

お母さんと小さな女の子。
白いショールを肩にかけたおばあさん。
どう見ても二日酔いのおじさん。

それぞれの買い物は、レターセットとハーブティー。ボタンと赤い糸。頭痛薬。
こんな売り上げで私の将来は大丈夫なのかな?

やはり、女の魅力で玉の輿か、祖母に弟子入りしてスーパー占い師か・・・。






< 4 / 10 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop