魔法使いの森と魔女の館
コトコトとお鍋が、いい匂いをキッチン中に噴き撒いている。

「スープ♪スープ♪味見をね」

小皿に一口分取って、料理人を気取り味を見る。

（薄い・・・。）

おばさんは、病人であるおばあちゃんのお口に合わせて味付けをしてくれているので、本当にに助かっている。

そう、私の料理は・・・攻撃的で、破壊的だ。

食べた人を攻撃して、料理後のキッチンは破滅している。・・・と、放浪癖の父に言われた過去がある。

大体、16才の女の子が完璧に家事をこなす方が怖いと思うわ。
まぁ、シルキーのご飯さえ上手く作れればＯＫということで。

シルキーはご飯の催促のスリスリに余念がない。
「フニャフニャ」と、ダンスを踊るように私の足にぶつかってきている。

「はい、はい。シルキーが先ね」

シルキーのご飯をトレイに載せ、お水も入れ替えて、いつもの食器棚の前に置く。

トコトコついてきたシルキーは、お行儀良く、それでいて大急ぎで食べ始める。時々「ニャグニャグ」と聞こえてくる。

「さてと」

今度は人間用のトレイにスープ皿と切ったフルーツを載せて、おばあちゃんの部屋のドアをノック。

「入るね」






















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