魔法使いの森と魔女の館
薄い宵闇がレースのカーテン越しに差し込んできている。

サイドテーブルに燭台とトレイを置いて、

「おばあちゃん、スープ持って来たよ」

「・・・」

ナイトキャップから出ている白い髪と同じくらいに顔色も悪く、具合の悪さが見て取れる。

病人を刺激しても悪いので、

「後で、食器取りに来るね」

音を出さずに部屋を出て静かにドアを閉める。

(大丈夫、大丈夫。私もおばあちゃんも、大丈夫)

確かめるように、おまじないのように、自分に言い聞かせることですべてがうまくいく。

そういう変な自信があった。









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