【続】清華魔法学園〜未来選択編〜
side大和
「もしかしたら紗久ちゃんも気づいているかもしれませんね」
学の部屋を出た後。
いつものように玖音先輩の1歩後ろを歩きながら思ったことを口にする。
この世界は偽りの世界。
優秀な魔法使いだった者達は少しずつこの世界の違和感に気づき始め、本来の記憶を取り戻していた。
そして俺もその中の1人だ。
「それでもいい。それでもいいんだ。紗久さえ幸せに生きられるなら」
前を真っ直ぐ見据えて。
後ろの俺なんか見向きもせず。
相変わらず変わらない強い意志を俺に玖音先輩が伝える。
この人は変わらない。
ずっとずっと。
強くて優しくて。
己ではなく、紗久ちゃんのことを一番に思っている。