【続】清華魔法学園〜未来選択編〜
こんな風に大事にされればされるほど私は本当にこの人に大切にされて愛されているのだと改めて実感する。
気恥しいけど、その絶対の愛がお兄ちゃんには絶対に言わないけど、とても心地よかった。
「……」
お兄ちゃんのことを考えならがらふと他のことを思い出す。
そうだ。
この機会にお兄ちゃんに聞いてみたかったことを聞いてみよう。
「ねぇ、お兄ちゃん」
「ん?」
「この世界はお兄ちゃんが壊してしまったおかしな世界なの?」
ずっとずっと胸に引っかかってたことを口にする。
お兄ちゃんはアルバーロ様が言っていたみたいに悪者なの?
「いつ、それを紗久に聞かれるかと思っていた」
「え」
お兄ちゃんが顔をあげて悲しそうに笑う。
その笑顔は肯定の意味?
お兄ちゃんは本当に悪者なの?
「だけどその言葉は少し違う。この世界はな……紗久、お前のために作った、偽りの世界なんだ」
私の……ため?
お兄ちゃんの言葉の真意がわからなかった。
お兄ちゃんの話を全て聞き終わるまでは。