【続】清華魔法学園〜未来選択編〜
ガチャッ
複雑な路地裏を抜けていつもの建物の中へ入る。
建物の中は廃墟に近く、人がまるでいるように感じられない空間。
「おーい。学ー」
「お、待ってましたよ、玖音先輩」
奥へ進むとそこは最新のコンピューターがズラリと並んだハイテクノロジーな世界。
そこにいたのは随分いい大人になった学だった。
この世界には魔法がなくなり、今の最先端は化学。
その第一線をコイツは走っている。
「魔法と化学の融合。数年も前の感覚やったけど、5年かけてやっと玖音先輩からの依頼品ができました」
トンッ
得意げに笑いながら学が俺の前に辞書サイズくらいの黒い箱を置く。
「これが集団意識の核を奪い、支配する代物です」
5年、だ。
5年も待ち続けた物が今目の前にある。
5年前。
最新医療でも化学でも紗久のことを助けられないと思い知り、万策尽きた俺はあることを考えた。