【続】清華魔法学園〜未来選択編〜
それは紗久の側へ行くこと。
紗久は目覚めこそしなかったが、心臓は動いており、脳も正常だった。
つまり、紗久には意識があるのだ。
なのでコンピューターで意識だけが住める世界を作り、そこで紗久と共に生きようと考えた。
紗久の意識はもちろんのこと、紗久だけでは紗久が寂しいだろうから、世界の全ての人から意識を奪い、コンピューター世界に縛り付ける。
そして記憶を支配する。
そうすることにより、人々はコンピューターの世界こそが本当の世界だと錯覚し、その世界で何も思うことなくただ、生きていけるのだ。
これこそ、真の幸せな世界。
思いつた案を目的は伝えず、唯一実現できそうな学に話すとノリノリで5年も発明に費やし、そしてそれをついに完成させてくれた。
「せやけど、玖音先輩。これ、一応魔法の力がないと使えへんさかい、どーすることもできませんで?実験もできひんから出来も今ひとつわからへん状況やし……」
「それでもいい。ありがとう。5年もお疲れ」
発明品の説明をしながらも苦笑いを浮かべる学にお礼をいい、お金を渡す。
そんな俺に対して学は「んーまぁ、それでええんやったら……おおきに」と歯切れの悪い返事をした。