【続】清華魔法学園〜未来選択編〜
元英雄の望む世界
side紗久
私が救った後の世界はお兄ちゃんにとってどれだけ辛く、悲しい世界だったのだろう。
10年もの間、お兄ちゃんはどんな想いでそんな世界を生き続けたのだろう。
あの帰省から清華魔法学園に戻ってきてもう2週間。
清華魔法学園では冬休みが終わり、3学期が始まっていた。
私の頭の中はお兄ちゃんのことばかり。
「人類の中に現れた僕たち魔法使いは歴史の中でも様々な名誉ある功績をあげ続け、その人口は少数ながらも、少数精鋭とされ、長い間、そして現在もなお、この世界の頂点に立つ存在、と認識されています」
黒板の前でいつもの王子様スマイルを浮かべながらスラスラと瑞希先生が魔法史の授業を進めていく。
相変わらず派手なスーツ(本日のスーツは目の覚めるような青色)だが、サラリと着こなしていらっしゃるのでそこはさすが瑞希先生だ。
ぱらぱらと魔法史の教科書をめくりながらまたまたいろいろと考える。
この教科書の内容だって一般ピーポーだったから魔法史はあまり勉強したことなかったけど前の世界とは大きく違う所が何点かあるのはわかる。
世界最強の魔法使いとして私の名前があることと、魔法使いが人類の頂点に立っていること……だ。
まぁ、もしかしたら他にもいろいろあるのかもしれないが、私の知識ではこのくらいしか違いがわからなかった。