僕達はもう1度思い出す。
出 会 い
初めまして。
春の暖かな日差しを浴びながら
少し大きめの新しい制服を身にまとい
僕、高城 蒼空 (たかしろ そら)は
人生一大のピンチに襲われていた。
中学の友達が誰1人としていない環境の中で
新しい友達ができるかが
心配で心配で昨日の夜からお腹を壊し
やっと高校の最寄りの駅に着いたと思ったら
何処に高校があるか分からない…。
僕は今…
世間一般で言う 迷子 だ。
「はあ、何してんだろ僕…。」
「ぼく、迷子かな?」
「えっ。」
声が聞こえた方を見てみると
太陽の光が眩しくて
声の主が誰なのかイマイチ分からない。
「あなたは誰ですか?」
と僕が問いかけるより先に
声の主は上の道路から降りてきた。
「私の名前は 空街 零! 君と同じ誠森高校1年だよ、よろしく!レイって呼んでね!」
と 空街 零 と名乗った少女は
僕に手を差し伸べてくる。
僕はその真っ直ぐな手を受け取ると
彼女は満面の笑みを僕に向けてくる。
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