ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー
真衣は口をモグモグさせながら、斜め後ろの男子を仰ぎ見た。
「何?」
「クリスマス、男子は10人くらいになりそう」
「おー、女子もだいたいそのくらい」
二人が話し始めたので、私は髪の毛を左手で押さえながら、黙々とうどんを食べる。
味のしみたお揚げがとても美味しい。
不意に視線を感じて顔を上げると、真衣と話している男子が私を見ていた。
なんだろう、と思うよりも先に相手は視線をそらしたので、
たまたま視界に入っただけだろうと結論づけた。
しばらくすると、話の終わった男子は友達のところへ戻ったので、
真衣は前に向きなおって、お弁当の残りに手をつける。