ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー
「真衣って幼なじみだか何だか知らないけど、よく仲良くしてるよね。桂木さんって真衣の他に友だちいないでしょ。いつも一人で暗いし、苦手」
「幼稚園から今までずっと同じ学校で、家も隣なんだって? それでも、あたしなら無理だなー」
「茜は人づきあいが苦手なだけで、いい子だし、そんな嫌な子じゃないんだよ」
三人の会話を耳に入れながら、食器を返し、外に出た。
その途端、体がぶるっと震える。
温かいものを食べて、体の芯から温まったはずなのに、なぜだろう。さっきよりも寒く感じる。
心は冷え切っていた。