ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー
「茜、食事中にごめん。片付け終わったんで、帰るな」
「ありがとうございます。とても美味しいです」
「崇さん、茜がまともな卵焼きを作れるなんて意外でした。教えるの上手なんですね」
「むー、その言い方だと私がとんでもなく下手に聞こえる」
「とんでもなく下手じゃん」
と言いあっていると、崇さんが吹き出した。
「悪い、つい。二人とも仲がいいなあ」
「まあ、私たち、幼稚園からの付き合いだしね」
私と真衣はお互いの顔を見て頷きあう。
「幼なじみっていいよなー。で、茜の料理だけど。教わらないとできないのは当たり前だろ。ちゃんと教われば案外器用に料理できるのかもな」