ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー
お父さんもお茶を含んでから、再び口を開く。
「楽しいか」
「うん? うーん、まあまあ」
学校がってことだろうか。
正直に言えば、それほど楽しいわけではない。
今どき、高校や大学まで行っておかなければと思うから行くだけだ。
自分が正社員として働くということに、まだピンと来ないせいもある。
でも、そういうことを言ったら話がややこしくなりそうで、当たり触りのない返事をする。
お父さんの返事はまたもや「そうか」の一言だったので、私の口下手はこの人に似たのか。
そう考えて、胸がざわりとする。