ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー

「はあ……」


湯船に浸かるなり、私の口からはため息が漏れる。


膝を抱え、自分の膝を眺めた。


お父さんとまともに顔を合わせるのは、いつぶりだろう。


夏以来?


お父さんは、私が寝てから帰宅して、私が起きる前に家を出る。


キッチンの洗い場に残されたお父さんのマグカップなどで、

帰宅したんだなと感じることはあるけど、顔を合わせることはほとんどない。


一般家庭に比べたら、異常なんだろうとは思う。


だからと言って、もう普通の家族のようになれるとも思わない。

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