ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー
私は黒板の上にある時計を見て、話を打ち切った。
また明日ね、と笑って手を振ると、マフラーを首に巻いて、教室を飛び出した。
走るように校舎を出て、オレンジ色に染まる街を駅へと急ぐ。
モヤモヤとした気持ちを持て余し、それから逃れるように空を見上げた。
そこには、まだ暗くなりきっていないというのに、星が浮かんでいた。
思わず足を止めて、星を見つめる。
薄い青色と眩しいくらいのオレンジ色に輝く空に、白っぽい点のような星がたったひとつ。
まるで私みたいだ。
ひとりぼっちで孤独な星。
私には誰もいない。