ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー

なので、普通のお父さんみたいに帰宅されると戸惑ってしまう。


年末は仕事が忙しいのか、この時期に顔を合わせた記憶なんて、ほとんどない。


どうしてお父さんはこんな時間に帰ってきたのかな。


ここはお父さんの家で、帰ってくることはおかしなことではないのに、そんなことを考えてしまう。


家にいないことが当たり前になりすぎている。


なぜなんて、一人で考えていても答えはでない。


お父さんに問いかけることも怖くて、いたずらに考えこんでしまう。悪い癖だ。


お風呂から上がったら、今日はさっさと寝てしまおう。


明日になれば、いつもの日常が戻るはずだ。


今日はもうお父さんとは顔を合わさない。

惑わされない。


そうと決めたら、私は立ち上がって、湯船を出た。

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