ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー
その内容に、ケーキをまとめていた手を止める。
彼?
と思いながら外を見ると、ガラス扉の向こうの駐車場に、バイクに腰掛けた崇さんがいた。
私に気付き、片手を上げている。外が暗くて、表情はよくわからない。
崇さんのことなので、笑っているのかもしれない。
私は手を振り返すことができなかった。
縫いつけられたように、その場を動くこともできない。
「……なんで、こんなところに」
「帰りには外が真っ暗になるから、女の子の一人歩きを心配して迎えに来てくれたんじゃない? なんなら、たまには早く上がってもいいわよ。残りはやっておくわ。」
「いえいえ、ちゃんと片付けを終えてから帰りますから」