ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー
モップで床を掃除しながら、ハッと気づいた。
葉子さんの姿を探すと、レジ締めの最中だった。
「葉子さん、どうして崇さんを知ってるんですか?」
「んー? この前、お菓子を買いに来てくれて。茜のおうちの方だってご挨拶受けたのよ」
「ご挨拶?」
床掃除の手を止め、葉子さんを凝視した。
葉子さんはレシートを出しながら、私を見て笑った。
「そう。若いのに律儀な青年ねー。それにイケメンだし。おうちの方って言ってもご家族じゃないんでしょ。彼氏にどう?」
「い、いや。そんなんじゃないですから!」
私はせっせとモップを動かす。