ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー
ちらっと崇さんを見ると、バイクに横座りして、タバコを吸いながらどこかを眺めている。
そのシルエットに思わず魅入ってしまった。
「そんなんじゃない、ねえ……ふーん」
葉子さんがニヤリと笑う。
「葉子さん、変な想像はやめてください」
私はいつの間にかモップを止めていたことに気付き、慌てて掃除を再開した。
そうして、いつもより早いスピードで後片付けを終え、
閉店が遅くなったわりにはいつもと同じ7時頃に店を出た。
「どうしてこんなところで待っているんですか!」
店の裏口から表に回り、崇さんと顔を合わせると、私は開口一番に問いただした。